Basel滞在

3泊4日間を過ごしたバーゼル。スイス第二の大都市であり世界シェアを誇る医薬化学メーカーはじめとする産業都市。また、ドイツ、フランスとの国境を接する土地柄もあり特徴的な独自文化が熟成されてる。私がスイスを訪れる際に必ずと言っても過言ではないほどBASELへは足を運ぶ。スイスの父母、友人知人がいることも因のひとつ。また、若き頃に「私」という人間を育んでくれた空気感に触れたい！その思いに馳せられるのも本当のところだ。思いの届く場所。思いに帰る場所。それがこのバーセルである。今回は、わたくしをホテル道へといざなってくださったグランドホテルへ再訪回帰、旧友との再会、この時期ならではのクリスマスマーケット、アート鑑賞、住み慣れた、慣れ親しんだこの街の特別な季節を縦横無尽に駆け抜けた。
3国国境の街、久方ぶりにトラムに乗りドイツまで出かけ、そして思わぬハプニングに出くわしたことも。。。
そんなバーゼル滞在記を綴ってまいります。

前泊ラインフェルデンからSBBに乗りおよそ20分、バーゼル中央駅到着。いわゆるローカル線発着のプラットフォーム。
歳月をかけ大改修が施され、わたくしが居住していた頃とは随分と様変わりした中央駅。その中で、このローカル線プラットホームはあの日の面影をそのままにフラット、エスカレーターでの昇降は必要ない。時代変遷の片隅に往時を彩る趣があるのは旅情を高めるものだ。

一旦ホテルへ向かい、事前チェックインと荷物を預け早速にクリスマスマーケット散策へ出かけた。ホテルにチェックインをすると「Basel Card」をいただけるホテルが大半だ。バーゼル市内（一部国境も含む）交通機関、公共施設（美術館、博物館、劇場など）利用時に最大半額の割引が利く、ツーリストには有難いパスカードである。これを持っていれば、市内交通利用時にあれこれと迷うこともなく、例え間違ったトラム、バスに乗ってしまったとしてもやり直しに金銭的躊躇は無くなる。
住み慣れた勝手知ったる街ゆえに、スニーカーに履き替えた私は勇ましくバーゼル市内を歩き回る。BaselCardをお守りにして。

Baselの最大クリスマスマーケットはバーフュッサ広場。そこからミュンスターにかけて一大クリスマス市が繰り広げられている。
辺り一面には『グリューワイン』＝ホットワインの香りが漂い、どこからかチーズの甘く香ばしいとろける香りも鼻をくすぐる。
「ラクレット」に「グリューワイン」＝クリスマスの香り。甘さとスパイシーな温かな2重奏は、氷点下まで下がった気温とは裏腹に体内温度をゆっくりと上昇させてくれる。スタンデイングスポットで語らいながらの時も良し、手にしながらそぞろ歩くのも良し。思い思いにクリスマスシーズンの賑わいを楽しむ。一年を締めくくるHAPPY HOLIDAYSの在り方だ。バーゼルクリスマス市で見かける子の時期ならではの菓子「Chraebeli（Anisgebaeck）」＊アニスクッキー　好みが分かれる菓子ではあるが、スパイス好きの私はこれに目がない。クッキーと称したが、どちらかというとメレンゲを固く焼き上げた食感の焼菓子である。
古代ギリシャ時代、アニスは消化を助ける薬草として扱われていた。そのアニスが主役のお菓子。生地を24時間～48時間乾燥させて焼成に入る、という工程で出来上がるのが特徴だ。　朧げな記憶を辿りながら、帰宅後に昔のお菓子本を開いてみた。
卵、パウダーシュガー、塩、アニスシード、キルシュ（さくらんぼリキュール）、小麦粉、以上が材料となる。あれ？そう、お気づきのようにバター、オイルなど無使用なのだ。脂質ゼロである。ゆえに食感も楽しい。表面はサクっ、中はフワッと柔らかく、そこにトップノートのアニスの香りが鼻腔を擽る。セコンドにはキルシュの芳醇な香り。大人のお菓子ですな。各家庭には代々受け継がれた木型があり、それで象りをして焼成。他にも、「Weinachatsspaetzchen」*クリスマスクッキー詰め合わせ、スパイスの香り高い「レープクーヘン」など。クリスマス市には数件アニス菓子のお店が出展。欧州のクリスマスを象徴するお菓子をいちどお試しあれ。

Anisgebaeckの作り方は、#Anisgebaeck　ほぼドイツ語ですがグーグル先生の翻訳機能をご利用いただけます。