アレキサンダー・グラハム・ベルの名言
「When one door closes, another door opens: but we often look so long and so regretfully upon the closed door that we do not see the one which has opened for us」
人間は誰しも落ち込むものだ。殊に想定外の事象に遭遇したり、悲しい惜別、思いの届かないもどかしさ、そして信じていた人に裏切られる、など、自分には及ばないところで発生した余波を受け、これまでの在り方が完全に覆される、そんな出来事に遭う事も少なくない。突然に降りかかることに理性を求められても正常でいられるか、と問われれば、自分事にある以上、往々にして厳しい事は否めないだろう。ともすれば策略に嵌るという事態もこの世にはあるのだ。
落ち込みの限りを尽くした状況下においても「心を寄せて、私自身を見てくださる人々が多々いること」、
その人々の御心そのものが、私には新たな扉であったのかもしれない。会社の看板を背負った私ではなく、何もかも失った私に対して、それまでの過程を正当に評価くださり、次の道への工程に尽力してくだる。やはり私は人に恵まれている、つくづく幸せに思う。
9年間近く賭してきた事業推進に、私は経験と実績を得られることができた。熊本地震、九州北部豪雨など毎年続く災害に、コロナ禍の3年間ほど。艱難辛苦も含めてあらゆる体験を経て今が在ることそれは変わらない。経験を与えられたことに感謝の念は惜しまない。
それらを活かし、社会貢献へと繋げられるのはローカライゼーション或いはプロパテイユニークネスに則したブランデイング、それらを協働(コラボレーション)で創造していくこと、それが遣り甲斐であり生き甲斐であり使命のようにも思える。
いちプロパテイを離れたことによって、成長路線の在り方を俯瞰的に互恵の継続性を据えて見極められるようになった。
「創造」は、創りっぱなし、エンジン入れて終わりではない、継続しドライブしていく事に集約される。
あの頃、人間不信に陥った私を救い出してくださったのは、家族、友人、ホテリエ仲間、各分野の仲間たち、そして本当にホテルを愛する人々の集まりと熱意が雪解けのように私をしなやかに回復へといざなってくれた。
口惜しい事実にモヤモヤする思いを完全払拭できるほど強くはない。容易ではない事も分かっている。が、相容れないことに時間を使う無益さに翻弄する人生で良いのか、それを教えてくれて鼓舞してくださった人々。
「因果応報・天に唾を吐けば自身に降りかかる」
誰かのために。。。その気持ちがホテリエには大切だ。いや、人として大切な事かと思う。
「類は友をよぶ」
佳き人々と在れば、おのずと互いを認め合い、互いに成長し、喜びを分かち合える人生の果実にわく。
トラウマは消えずとも、その後に出会う素晴らしき人々により、私の今は挑戦と幸せに満ちている。
多少の鈍感力を養い、過去を振り帰らず新たな転地で自己を活かすことでトラウマは薄らいでいくのかと思う。
他者のトラウマになるような事をする人にはなれない、なりたくない、なることはない!
それでいいのだ。

1998年のフォト
アンジェラのBienneアパートメントにてJong 等と日本家庭料理を振舞う。あれから25年。皆な、それぞれに新たな道を進んでいる。いつの日か、コラボレーションしたいね。