この年末年始、久方ぶりに実家帰省。云十年振りに家族お正月。
この春から新社会人となる甥っ子。東京での研修を終え、大晦日31日夜半にひとりで我が両親(彼の祖父母)宅に到着。
就職先は関東エリアであるも、現在の住まいは関西だ。大学も勿論関西に在る。
就職種希望を聞いたとき、なぜにわざわざ関東へ?と、まあ、普通に湧き上がる疑問をもった。
過去を紐解いてみると、彼は食べことが好きな男の子であった。小学生の頃、「パテイシエ」になりたい、と
割と本格的にお菓子作りをしては振舞ってくれた。食べるに留まらず作ること、食に関するすべてに興味をもっている子供であった。
幼児の頃、テーブルに置かれた「肉まん」に幼児椅子から抜け出しハイハイしながら突進。パクついていた光景は今も脳裏に鮮やかだ。成長し、サッカー、ラグビーなど男の子趣味に目覚めていき、食への関心は薄らいでいったものと思っていたが、いやはや「三つ子の魂百まで」しっかりと根付いていたようだ。
「大手食品会社を受けないの?」昭和世代にありがちな稚拙な愚問に、
「食は人の健康に直結するもの。僕は原料仕入れから企画、生産、営業、流通まで自社管理する地域密着型の食品会社に勤めたい」
「伝統だけでなく、伝統と進化を共に伸展させている会社へ行きたい」
こんな会話をしたのが、かれこれ1年近く前のこと。
今回、その思いが届き内定をいただいた某社へこの春に就職する。
他社内定も幾つか頂いたと話していた。いずれも、その業種ではパイオニア的存在で永年の伝統を持ちながら、時代に則した新商品の展開に積極的であり、いの一番に「人の口に入るもの」=『健康』への思いが深く強い企業。同族企業の良いところ(伝統伝承)に加え、同社の後継育成の在り方に現経営陣の真髄が如実に読み取れる。他者の参入を奨励し「他者に耳を傾ける」。ともすれば保守保身になりがちな身内同舟なところに、後世へと繋ぐ社命を確固と据えて革新的経営に着手されているのだ。
「Kちゃん、貴方、企業研究でそういうところも調べていたのね」
「うん、調べて実際に話を聞いて、幾つかの会社へアプライしたよ」
〇〇ス食品、〇治、など大手企業を思い浮かべる昭和脳。一方で平成から令和の時代を生きる22歳は企業規模、企業名ではなく、
その企業理念、実際に遂行していること、クリアな未来ビジョン、経営手法、これらに重点を置いている。
「他にどこの企業を受験したの?」
「九州の○○、中国地方の○○。。。。」など、地域に根ざし地域から国の内外へ発信している企業が並んでいた。
関東と言えど、東京、横浜ではない。
入社1年目は、いわゆる大卒総合職級と言えど、販売店か工場勤務のいずれかになるようだ。
ホテルと同じだね。名古屋を代表する新聞社も同様。名門大学卒、大学院卒であっても1年目(半年間)は販売店住み込み。
現場感覚が最も大きな財産になる。エンドユーザーの満足度、感動度に繋がる原点は現場だ。
「就社」時代は完全に終焉を迎えたこと実感した。
R世代、見上げたものだ!
