後から知ることになる。
今回、日本⇔瑞西(スイス)、どうも私は世界を一周して往復したようである。

往路:フィンエアー 成田→ヘルシンキ経由→チューリヒ
23:05、成田空港を出発するフィンエアーAY074 便、JL便とのJV便であり成田空港出発の最終便でもある。
人手が不足しているのか、合理化施策なのか、JALサクララウンジは22時にはクローズとなる。人気も薄くなった空港内を搭乗ゲートへと向かい歩き続ける。幾つかの店舗は既に営業終了。またはその準備に勤しんでいる。

搭乗ゲート待合の光景からも、日本人旅客が以前に比して著しく減少していることがうかがえる。圧倒的に欧米人の比率が高い。あちこちから英語、ドイツ度、フランス語のサウンドが流れ聴こえてくる。中にはフィンランド語もあるやもしれないが理解できない私の中ではその他外国語の括り。

以前にもフィンエアー利用してスイスへ出向いた事がある。機内はほぼ欧州旅行を楽しむであろう、またはビジネス出張で出向くのであろう日本人で埋め尽くされていた。
コロナ禍以前かつ1CHF=103円の頃、当時はスイスフランよりもユーロ高。恐らく1Euro=110円ほどではなかったか。今ではそれは形勢逆転。円安に加えてのダブルパンチは日本人の欧州への渡航に二の足を踏ませてしまっているのか。
頭の中でその思いが過るほど、『見かけない日本人』『聴かれない日本語』で、ここは成田空港。
既に異国にいるような感覚すら覚えた。

22:30過ぎ、搭乗開始
お隣はドイツ人の女性、その向こう女性お二方は台湾の方。ぐるっと回りを見渡すもアジア系の旅客よりも欧米人が台頭している。座席はプレミアムエコノミー席最前列。2列目以降よりもシートピッチが広く快適性には優れる反面、手元に荷物は置けずオーバーヘッドビンの中へ収納する決まりがある。深夜便であるし、直ぐに寝ることを考えれば快適性優先。 定刻にブロックアウトしフライトも順調。『へえ~、この便が本日の成田空港最終便なんだ』と、妙な感慨に浸っていると、日本時間の真夜中に『機内食』がやってくる。スキップしている方もかなり居たように感じた。が、定点チェックな私はいただく。
メインの温度は適温、お肉もゴロゴロと存在感満載で美味しくいただく。

と、隣のドイツ人女性がCAさんに尋ねている。
『事前にWEBリクエストでベジタリアンミールを依頼している』と説明。
そうだよね、昨今、いや、ここ近年はミールオーダーに限らず、チェックインもWEB事前対応を促すメールが前日までに届く。
WEB上から『ベジタリアンミール』をオーダーしているがどうも搭載されていない様子。
CAさん、『こちらの情報には入っていない』と、仕切りに携帯端末を確認しながらその女性に説明している。
その会話に耳がいき、自身のミールに集中できない!
『えっ、そんな回答する?その対応あり?』頭の中を疑問符がてんてんてん。。。。
案の定、ドイツ女性らしく理路整然と経緯を説明し始めた。当り前のことですが。
それでも『こちらの情報には入っていない』の一点張り。ワラワラと別のCAさんも集まってきて狭い通路上で協議中。
最前列で止まったカートは微塵も動かず、『2列目以降の皆さんのサーヴィスはどうなるの?』そんな懸念までが頭の中を走り始めた。結局、ビジネスクラスからベジタブル対応の食事を寄せ集めてサーヴィスしていました。
エコノミーの食事よりもずっと美味しいものと思うが、美味しい気持ちになれるかは甚だ疑問の残るところだ。

『こちらの情報には入っていない』
確かに現場は入手していないようである。が、それは会社内の連絡ミスが起因であるも旅客に疑義をもたすような対応に驚き。
他方、昨今大きく取り上げられるカスハラ云々含めて対応策を考えているのかな。など、まあ、人間観察と接遇接客、そこに介在する心理を目前で学ぶ機会にもなった。

日常環境の中から一歩外へでると、想定をはるかに超える出来事に遭遇する。そのひとつひとつがある意味社会勉強でもあり、
思考力の養いにも繋がること枚挙に暇がない。

いまでも不思議なのだが、到着3時間前の朝食にはちゃんとベジタリアンミールを供されていたのですよね。
??なぜ? 朝はあるの?
そのドイツ人女性と苦笑しながら暫く会話を愉しんだ。楽しむ題材ではないが、共通言語のドイツ語がとりもってくれたご縁とでも言おうか。偶然にも隣り合わせになったひとり旅同士。奇遇は偶然を超越するマジカルな時間だ。
13時間近いフライト中、飽きもせず『ハリーポッターと賢者の石』から延々と観続けていた私に、
『ハリーポッター好きなの?』と問いかけられた。
『大好き。機内ではほぼ毎回観ている』耳は英語、サブで独語、その逆も然り。好きなモノには集中できるという実証。

彼女はヘルシンキでベルリン行へ、わたくしはチューリヒ行へ、それぞれ乗り換え。
搭乗機の到着遅れに伴い、彼女の接続便へのMCMはギリギリか、ほぼ危険な状況。ヘルシンキ到着時には30分を切っていた。
この辺りもドライと申しましょうか、『時間制限に間に合わないので次便へ変更ください』と機内アナウンスがなされた。
勿論、JAL, ANAのような着いた先に地上係員が待機していて、あれこれと対応くれるはずもなく自分で乗り継ぎカウンターにいって申請。それ以前に機内で次便を自分で押さえる行動を促している。
欧米系がドライクールなのか、日本が至れり尽くせりなのか、余りにも対照的な在り様に13時間フライトもあっという間。
自己判断と行動力が肝要な海外ひとり旅。判断力が試される得難い機会でもある。

この便(フィンエアーのヘルシンキ行)は、唯一北極を通過する便であることを後報でしる。
北極通過証明書もいただけたそうだ。まったく知らなかったわ。機内アナウンスもなかった。
そう、欧米は自己申請しない限り、何も始まらないし出てもこないのである。
それに反論するのは愚の骨頂

成田空港を発ち13時間、人生初の北極を越えを経験した13時間でもある。地球半周!
さて、ここからチューリヒまで4時間近くのフライト。あれっ、意外に距離があるっ!